RSKCarCameBlog

車、カメラを中心に気になったことを紹介するブログ

整備士が教えるエンジンオイル交換について

f:id:camerangz:20190205065738p:plain

こんにちは。

 

車を持っている方、エンジンオイルは交換していますか?

「ガソリンスタンドでよく勧められるけど、どのタイミングで交換したらいいかわからない・・・」

「どういうエンジンオイルをいれたらわからない・・・」

 今回は整備士をやっている私がエンジンオイルについて解説したいと思います。

 

 

なぜオイル交換が必要なのか?

f:id:camerangz:20190205072026p:plain 

画像引用・・・エンジンオイルの効果とは? | Mobil 1™

 

エンジンオイルの役割として、

・潤滑

・冷却

・清浄

・気密保持

・防錆

があります。

この中でエンジンが燃焼することによる汚れを取り込む清浄の作用によりオイルは徐々に汚れていきます。

またエンジンオイルは空気と触れ酸化していくことにより、その能力を低下させていきます。

エンジンオイルの交換時期は?

車種やメーカーによって推奨の交換時期は異なります。

・自然吸気エンジン(ターボなし)→1年もしくは10000~15000km

・ターボ車→半年もしくは5000~10000km

となっています。

ただ、普段チョイノリが多い・登板路のような高負荷の走行が多いなど車に負担が多い使い方をしている場合(シビアコンディションといいます)、交換スパンは短くなります。

 たまに「20000~30000km交換しなくても問題ない」といったことを聞きますが、

これは間違いです!

正確には一度20000km無交換でも壊れることはまずありません。

 ただ、交換しないことによりスラッジという汚れが徐々たまっていくことにより、エンジン内部のオイル通路がこのスラッジで詰まってしまいます。

 このスラッジは一度発生すると取り除くのが困難で、フラッシングオイルというのを使用し汚れを溶かして取り除くか(完全には落とせない)、エンジンの分解清掃が必要になります。

ちなみにオイル交換がずさんな車を何台もみてきましたが、一番ひどかったのはオイルの入れ口がスラッジで埋め尽くされている車がありました。(汗)

 

今まで車を見てきて、最低限10000km以内での交換がエンジン内部の状態をキープすることができます!

 

 エンジンオイルの種類は?

 ベースオイルの分類

エンジンオイルは基になるオイルや製法の違いによって大きく3つに分類されます。

 

f:id:camerangz:20190205075218j:plain

画像引用・・・合成油とは? | Mobil 1™

・鉱物油→石油を精製する時にできるオイル。いわば素のオイルに近い物。性能が低い代わりに安価。

・部分合成油→鉱物油に後述の化学合成油をブレンドしたもの。価格、性能ともに中間。

・化学合成油→原油を複雑かつ高度な過程を経て精製したもの。不純物を取り除いたり、添加剤を投入したりしてエンジンの性能を引き出したり、保護したりと最適なオイルになっている。ただし値段は高め。

この3つが一般的に市販で売られているオイルになります。

 注意していただきたいのは高い化学合成のオイルでも寿命は鉱物油と変わらないということ。

あくまできちんと交換時期を守ることが重要です。

「じゃあ化学合成油のメリットないじゃん?」と思ってしまいますが、前に述べたようにエンジンに最適なオイルとなっているので高パフォーマンスやエンジンの長寿命化になります。

 実際に化学合成油同士でも値段の違いで性能の差が出てきます。

 私も色々な種類のオイルを試しましたが、1リッター4000円のオイルを入れたときは明らかにエンジンの回りが違いました。高すぎて次は入れませんでしたけど・・・

 また一部の外車メーカーや国産車は化学合成油指定の場合があります。

 以上のことから個人的には化学合成油がおすすめです!

ただ、先述のようにオイル交換をしてあげることが重要なのであまりお金をかけたくない・・・といった方は鉱物油でも問題ないので交換してあげることが重要です。

 

粘度の分類

オイルの粘度(硬さ)もオイルを選ぶ上で重要な項目です。

一般的には

○○W-○○(〇は数字)

といった表示をされています。たとえば10W-30や0W-40といった感じ。この数字が大きいほどオイルは硬くなります。

 まずWの前の数字が低温時の粘度。

始動性や低温時の燃費などに影響します。

 ハイフン後の数字が高温時の粘度。

 高いほど高温でも気密や潤滑を保てますがオイルによる抵抗が大きくなるため燃費の悪化などを招きます。

 また、ホンダやトヨタでは規格外の非常に柔らかいオイルを使用しています。(NEXTや0W-16など)

 この粘度で注意して頂きたいのは、粘度は車種によって決められています。

ただ現在の国産車では9割以上が0W-20指定となっています。

 選ぶ際注意して頂きたいのは高温側の数値です。

粘度が低い物から高い物への変更(例えば0W-20→0W-30など)は燃費が悪化する程度で問題はないですが、高い物から低い物(0W-40→0W-20など)は厳禁です!

高温時のオイルの保護がなくなりエンジンが故障する可能性があります。

 

余談にですがレースのSUPERGTに参戦しているMOTUL 無限 NSX-GTの監督さんにお話をお伺いしたときにオイルの話を聞いたことがあります。

市販品と成分は若干違うものの、粘度は0W-40と一般的なものでした。

市販車と違いエンジンの耐久性は気にしなくていいものの、自分の車に入れている粘度と変わらないことがちょっと意外でした。

 

他にも分類はあるけど・・・

エンジンオイルはかなり規格が多いのですが一般的にはこの2点を気にして頂ければ問題ありません。 

オイルフィルターとは?

文字通りオイルをろ過するためのフィルター。

エンジン内で発生する鉄粉やスラッジなどをここで受け止めます。

 基本的にはオイル交換2回に1回の交換となります。

 ただし前回のオイル交換からかなり走行してる場合などは前回フィルターを交換していてもやった方がいいでしょう。

 フラッシングって?

 

先に述べましたが、エンジン内部に発生したスラッジを専用のフラッシングオイルを入れて溶かしてフラッシングオイルと一緒に排出させること。

 これもよく「エンジンがきれいになるから!」と毎回やる方がいますが、その必要はないです。

 このフラッシングオイルはスラッジを溶かすかわりにエンジン内のゴムのオイルシールに対する攻撃性も高いです。

過度のフラッシングはオイルシールを破損し、オイル漏れの原因となります。

もしやるとしても30000~50000kmぐらいのペースで問題ありません。

そもそもオイル管理が良い車は100000km走行でもスラッジの発生はほとんどありません。 

オイルの添加剤は必要?

カー用品店でオイルと一緒に売られている物で添加剤があります。

オイルに添加することにより保護性能や燃費を向上させます。

 と聞くと入れたほうがいいように思えますがこれもあまり推奨はしません。

 ・安い鉱物油に添加は効果があるが、それであれば合成油を入れたほうがよいこと。

・高い合成油にはそもそも添加剤の成分が入っていること。

といったことがあるので効果はあってもメリットが少ないです。

 また、安い添加剤はエンジン内でジェル状に固まってしまい(見たことあります)、エンジン破損につながるので注意が必要です。 

まとめ

 

 今回はオイル交換の疑問について書かせていただきました。

今後のオイル交換の参考になれば幸いです。