車のエアコンが効かない?整備士が原因と修理費用について解説
こんにちは。
今の時期になると車のエアコンを多用する気温になってきています。
ただ使っていて「エアコンはぬるい」、「エアコンが全然効かない」といったこともあるかもしれません。
今回は車のエアコンが効かない場合の原因と修理費について原因別に解説していきます。
まあ、そもそもこんな話をするのは自分の車と実家の車が立て続けにエアコンが壊れたからなんですがねw
車のエアコンについて
車のエアコンは便宜上エアコン(エアコンディショナー)となっていますが家庭用のエアコンと違い、冷房と暖房が別の仕組みとなっており設定温度によってそれぞれの空気を混ぜる方式になっています。
冷房(クーラー)に関してはエアコン配管内に入っているエアコンガスの気化熱により車内を冷やします。(詳しい説明は専門的になるのでカット)
冷房が効かないと暖房が効かないは別の原因になりますので、今回は冷房が効かない原因について解説します。
原因になるものは多数ありますので代表的なケースを紹介していきます。
エアコンがぬるい、冷えが甘い
まずはエアコンが冷たい風は出ているけども、なんだかぬるいというケースです。
エアコンガスが少ない、多すぎる
封入されているエアコンガスが少ないパターン。
ガスが漏れているパターンの他に、年式の経過している車だと少しづつ漏れていくため少なくなりエアコンの冷えが弱くなってきます。
また、補充したガスが多すぎても冷えが甘くなる原因になります。
修理費用・・・ガス補充のみ 1000円~
エアコンフィルターのつまり
冷房そのものより風が弱いケースになります。
車のエアコンの風は外気導入でも内気循環でも一度エアコンフィルターを通過するため、フィルターに汚れがたまっていきます。
汚れでフィルターが目詰まりすると、エアコンの風量が減少するため効きが弱く感じる原因になります。
修理費用・・・エアコンフィルター交換 3000円~
エアコンが効いたり効かなかったりする
コンプレッサーリレーの不良
エアコンのガスを回すためのコンプレッサーにはリレーと呼ばれる電気を流すための部品がついています。
このリレーが経年劣化で内部の接触が弱くなり電気が流れたり流れなかったりすることがあります。
コンプレッサーがON・OFFを繰り返すため、効いたり効かなかったりを繰り返すこととなります。
修理費用・・・リレー交換 2000円~
ラジエーターファン、コンデンサーファンの故障
コンプレッサーで圧縮されたガスを冷やすためのコンデンサーというのが車体の前部に付いています。
このコンデンサーを冷やすためにファンが設けられていますが、このファンの故障でガスを冷却できなくなり効きが悪くなります。
ファンの故障の場合だと走行中は冷えて、停車中は効かないということもあります。
またファンの配置によってはエンジンを冷やすラジエーターのファンも兼ねているため、オーバーヒートの原因にもなります。
修理費用・・・ファンモーター交換 10000円~
ファンリレー交換 2000円~
エアコンが全く効かない
ガス漏れ
ガスがほぼ入っていない、または完全に空の場合、ガス漏れが考えられます。
通常漏れが起きやすいのは配管接続部ですが、室内側エアコンユニットやコンプレッサーから漏れる場合もあります。
ガス漏れ位置の特定と場所による部品代を含めるとそこそこ高額の修理費になります。
室内側の場合ダッシュボードの脱着が必要になる車もあるため、工賃だけでも30000円以上のパターンも・・・
修理費用・・・Oリング交換の場合 10000円~
部品交換の場合 50000円~
コンプレッサーマグネットクラッチ故障
エアコンのコンプレッサーにはスイッチをONしたとき作動するマグネットクラッチが付いています。(エアコン入れると「カチン」ていうあれ)
このマグネットクラッチが破損するとスイッチを入れてもエアコンが効かなくなります。
修理費用・・・マグネットクラッチ交換 20000円~
コンプレッサー焼き付き
エアコン修理でも最も高額になる修理。
エアコンガス補充の際にオイルが不足していたり、高負荷時でエアコンを作動させ続けると、コンプレッサーが焼き付き動かなくなります。
この状態になるとエアコンを入れてた時にガラガラ音などの異音がすることもあります。
この焼き付いた際に鉄粉がエアコン配管の各部に回ってしまうことでコンプレッサー以外にも各部の交換が必要になります。
最低でもコンプレッサー+レシーバー(ドライヤーとも)の交換、場合によってはエアコンシステムほぼすべての交換が必要になります。
これは自分の車の焼き付いたコンプレッサーと同時交換したレシーバー。
めんどくさくてコンプレッサーとレシーバーのみの交換です。
修理費用・・・コンプレッサー+レシーバー交換 50000円~
システム総交換 150000円~
修理費を安く済ませるにはリビルト品や社外新品を!
万が一故障し修理する際はお金を払って部品を交換するしかありません。
この際、純正の新品は金額が高いためリビルト品(中古を新品の部品を使い組みなおした物)や社外新品(純正と違い自動車メーカーの刻印がないもの)をオススメします。
通常は見積もりを出された際に説明がありますが、ない場合はお店のひとに掛け合ってみましょう。
ただ車種によってはリビルト品や社外品の設定がない場合もあります。
ちなみにリビルト品でない中古部品は一番安くなりますが、再度故障するリスクも高くなりますのでオススメはしません。
まとめ
エアコン修理について解説させていただきました。
ここで紹介したのはエアコンが効かない事例の一部になりますので実際には車を診断しての見積もりが必要になりますのでご注意ください。
これからの時期エアコンの頻度も高くなりますので効かない場合の参考にしていただければと思います。